2021年11月の記事一覧

城南塾SSH特別講演会

 11月18日(木)の午後、令和3年度の城南塾講演会を実施しました。社会で活躍されている本校のOBやOGの方をお招きして、在校している後輩たちに講演をして頂くもので、毎年秋から冬に行っています。今回は本校OBで東京農工大学副学長の中川正樹先生にご講演頂きました。また、コロナ流行が心配されたのでZoomを用いて本校と東京を結び、「手書きをデジタルに」という演題で行いました。

 留学から帰国してすぐに東京農工大学に助手として就職され、計算機システムの学生指導の傍らでオンライン手書き文字認識の研究をされていました。そこで多くの成果を上げることができましたが、なかなか市場が広がらず研究も縮小されていきました。しかし、大学発ベンチャー企業・アイラボを設立した後、MetaMojiやサムスン電子などに採用され、スマホやタブレットでも利用されるようになりました。こうしたものすごい経歴をお持ちです。一方で、誘われて始めた釣りにこり出したことや学生時代のやんちゃな出来事など、とても面白くてそちらにも関心を持って聴かせて頂きました。

 生徒たちからも多くの質問が出ました。例年なら2~3人ですが、今回は各教室で行ったこともあり、10人以上の質問がありました。時間をやや超過するまで質問は続きました。大変有意義な時間を過ごせました。後日、中川先生より著作の「弱みを強みに 手書きをデジタルに」という本を頂き、これらは質問した生徒に抽選して渡しました。大変喜んでいました。この場を借りまして厚く御礼申し上げます。お世話になりました。

 

課題研究及び科学部研究研修会実施

日時 11月25日(木)16:30~19:15
場所 城南高校をホストに各校に配信
 本校SSHのミッションの一つとして「地域における科学の中核校」を掲げており、その一環として徳島県の課題研究のレベル向上を図るべく、徳島大学理工学部の全面的なご協力と、徳島県立総合教育センターや徳島県教育委員会のご助力を得て、毎年「徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研究研修会」を実施しております。例年は徳島大学で対面での研修会を行っていましたが、今年もコロナ禍の影響もあり、本校をホストに各校に配信する形で実施しました。本校を含め、4校から140名の生徒参加があり、各校とも数名の教員が指導に当たりました。各校で6名程度のグループをつくり、「研究テーマの選び方と研究のすすめ方」について、ブレーンストーミングとKJ法によってアイデアをまとめていくという手法を体験的に学びました。研修は3つのパートに分かれ、①興味があること、②分かっていない解明されていないと思われること、③どのようにしたら調べる(明らかにする)ことができるかいう各テーマについて班ごとに活発な話し合いが行われました。この研修をきっかけとして、12月・1月に各校で課題研究のテーマ決めと班編制および研究の進め方について考えていきます。
 なお2月下旬予定の第2回研修では、各校各研究班で課題研究テーマ・仮説・研究方法・予想される結果などをまとめ、事前提出レポート1枚とオンラインで5分程度のプレゼンにまとめて発表し、大学の先生方からアドバイスをいただくという内容で行う予定です。第1回に参加できなかった学校も参加可能です。この企画が本校だけでなく、県内高校の課題研究の向上に少しでも役立てば幸いです。

107HR高大連携授業(香川大学笠先生)実施

 応用数理科1年生は、11月26日(金)午後、香川大学教育学部の笠先生からオンラインで、課題研究に関する高大連携授業を受けました。まだ課題研究に着手していない1年生のため、理科と探究活動の違いを考えることから始まり、「変数(variables)」をテーマに、「変数とは何か」(変数を見つけ、複数の変数間の関連性を考えるアクティビティ)、「実験を計画する」(気柱が発する音について、何をどのように調べるか実験計画を立て、実験を行うアクティビティ)など、「アクティブラーニング」のお手本となる授業で、生徒は楽しみながら思考と理解を深め、参加していた教員にも大いに参考となる内容でした。
 応用数理科1年生は、笠先生に教わったことなどを参考に、今年度中には各自で課題研究のテーマや目的などを決定し、3学期~2年次にかけて課題研究に取り組んでいくことになります。

第1回天体観測会(部分月食)

11月19日(金)に月の98%が地球の影によって隠れる部分月食が起こりました。

本校の科学部地学班において、学校にある天体望遠鏡を用いて観測会を実施しました。

生徒たちは「科学への誘い」などのイベントで望遠鏡の使い方を学習しているため、スムーズに準備を進め、観測することができました。部分月食のポイントは、「地球の影が月に映っているため、真っ暗になるわけではない」ということです。

古代ギリシャのアリストテレスもこの部分月食で、地球の影が円形であることを根拠の1つとして地球が球形であることを示しました。是非、この機会に夜空を見上げて星の魅力を知ってもらえると嬉しいです。

 

  

地学野外研修(活断層と地層)

 11月19日(金)の午後、応用数理科1年生30名と引率教員3名で、淡路島の北淡町震災記念公園へ行きました。生徒たちは先週、徳島大学の村田明広先生の講義を受けており、今回は現地での研修となりました。
 バスに揺られて50分くらいで記念公園に到着し、野島断層保存館を見学しました。ここには1995年に発生した阪神淡路大震災で動いた野島断層が保存されています。記念館の方と村田先生から断層の説明があり、生徒たちは熱心に聞きながらメモを取っていました。圧巻は断層の断面を見られるようにした場所で、地中に隠されて見えない断層を間近で観察できました。また、断層の真上にあったメモリアルハウスを見学したり、起震装置に乗って大地震の揺れを体験しました。
 そこからバスで15分ほど走って道の駅「あわじ」に行きました。村田先生の説明を受けながら、明石海峡大橋を支える主塔やアンカレッジなどを遠くから見学しました。当時建設中の橋の真下でも断層が横滑りし、主塔間の距離が1m伸びたおかげで橋の長さは最終的に1m長くなったそうです。生徒たちの地学への興味関心が高まった非常に良い機会であったと思います。
 最後に、徳島大学の村田先生には大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。