令和6年度活動内容
応用数理科107HR 高大連携授業【徳島大学pLEDフォトニクス研究所】
6月28日(水)6、7限目に応用数理科107HRにおいて、徳島大学pLEDフォトニクス研究所から、片山哲郎先生をお招きして高大連携授業を実施しました。
最初は研究者になった経緯と現在の研究、そのやりがいについて自己紹介と合わせて、説明していただきました。大学4年生での卒研では分光装置を作る研究を行ったそうですが、あまり教えてくれず、自分で論文を読み推論し、作成したそうです。その経験から「勉強は暗記だけではなく、経験や考察も勉強である」とおっしゃっていました。また、ずっと信号が見えなかった分光装置で初めて信号が見えたとき、「推論が正しいことを知り鳥肌が立つくらいの喜び」を得たそうです。今でも年に数回あるこの体験が研究者の喜びであるとおっしゃっていました。
ご自身が行っている研究は「新しい発想からの分子のふるまいを見る装置の開発」だそうです。現在は分子のふるまいを見るために、過渡吸収スペクトル測定法が用いられており、最初に光を当て分子を励起状態にし、次の光の反射率を時間経過ごとに見ることで、光が当たった後、どのように分子が変化していくかを見る方法が一般的です。片山先生は「ファーストペンギンになれ」との言葉に感銘を受け、現在の「光や電子パルスを用いた反応トリガーが超高速化学反応計測には必要という常識」を破壊し、新規高速反応計測装置の開発を目指す研究をしておられます。こちらの装置開発が成功すると、ノーベル賞は間違いないとのことを聞き、生徒たちはすごい研究であることに驚いていました。研究については、難しい内容ですが、研究内容について休憩時間に積極的に質問に行く生徒たちが多くみられました。生徒たちの主体的に学ぶ姿勢に感動しました。
研究の面白さやご自身の研究についての説明 休憩時間に積極的に質問を行っていました
休憩をはさんで、実験を行いました。ケミルミネッセンスを用いた光の実験です。造花に溶液をかけ、その後反応液を掛けることで化学反応が起き、そのエネルギーが蛍光色素に移動して光る現象です。様々な色に光る造花を見て、生徒たちは「励起状態」や「化学反応」と「光」の関係について、興味を惹かれているようでした。
現在、活躍されている研究者の考え方や研究の面白さを知ることで、研究に対する理解を深めると共に、実際に体験する実験等で科学に対する興味関心を伸ばしてほしいです。高大連携授業で感じることは、最前線で活躍されている方のお話は面白く、迫力があります。生徒たちが本物と出会う機会をより提供し、多くのことを学ぶ機会を提供していきたいです。
造花に溶液をかけておきます 反応液を掛けると、鮮やかに光ります
こちらの班では青色に光っています 興味を持って話を聞いていました