科学部活動報告

第1回科学部野外巡検in若杉山遺跡・水井鉱山

 4月20日(土)に、阿南市水井町にある若杉山遺跡と水井鉱山跡を訪ねました。

 若杉山遺跡を示す垂れ幕を見ながら遍路道を進みます。20分くらい歩くと、屋根のある休憩所が見えてきました。すぐ近くを谷川が流れている気持ちの良い場所です。山の斜面には石灰岩を掘削した跡が残っていました。それらを観察したり、周辺の植生を調べたりしました。帰りは22番札所「太龍寺」へ向かうお遍路さんと何度もすれ違いました。道が細いのでお互いに譲り合いながら戻りました。

 車で少し移動して水井鉱山跡の佐々木坑に向かいました。ここはかつて水銀の鉱物である赤い「辰砂(しんしゃ)」を採掘していた場所です。道の上から見ると岩肌が真っ赤になっていました。辰砂かと思いましたが、これは紅藻類の一種「タンスイベニマダラ」でした。県内だけでなく全国的に珍しい藻です。そこから沢沿いに登ると古い坑道跡が残っていました。

 全員で辰砂を探してみました。なかなか見つかりません。水銀朱とも呼ばれる赤い鉱物は、かつて壁画の顔料や古代人の祈祷・埋葬に用いられた大変貴重な物です。得られた水銀は戦時中に潜水艦の水圧計などに使われたそうで、ほとんど採掘されてしまいました。しかし、1時間くらい粘ってみるとついに石灰岩の割れ目から辰砂が見つかりました。その後、いくつか見つかり全員が成果を上げることができました。

 この自然豊かで歴史のある地域をずっと守っていきたいと思いました。