第76回徳島県高等学校野球春季大会2回戦

~ 改めて私たちは「挑戦者」であると自覚する、「あと少し」の差 ~ 

3月27日(月)、阿南市のJAアグリあなんスタジアムで第76回徳島県高等学校野球春季大会の2回戦が行われました。城南高校は、実力校の生光学園高校と対戦しました。

 

《バッテリー》(城南)馬詰、神戸-上原 (生光学園)大山、川勝-桁谷

《長打》▽本塁打 安藝(生光学園)
    ▽二塁打 神戸(城南) 

《試合の概要》

先攻の城南高校は2回まで、生光学園のエース大山投手の投球にに狙い球を絞りきれず、ノーヒットに抑えられます。逆に、生光学園は1回裏に安打2本で先制し、この試合の主導権を握ります。この日の先発は新2年生の力投派・馬詰。強力打線を4回まで2失点に抑える気合いの力投で試合を作ります。

3回表、城南の攻撃は今大会絶好調の7番大野が先頭打者として安打で出塁した後、8番馬詰の犠打、9番松尾がしぶとく内野安打で出塁。1番大村が中前に安打を放ち、同点に追いつきます。なおも2番島が内野安打で出塁し一死満塁と逆転のチャンスを作りますが、3番、4番が相次いで凡退し、追加点を挙げることができません。

試合の形勢を決めたのは5回の攻防でした。城南は先頭の9番松尾が四球で出塁し、1番大村の犠打でチャンスを広げるも後続が打ち取られ無得点。逆に、5回裏の生光学園はこの回からマウンドに上がったエース神戸の立ち上がりをとらえます。先頭打者が失策で出塁し、犠打と四球、暴投で一死一・三塁。2番打者のセンター返しのライナーを遊撃川丘が好捕し二死とします。ここで3番の安藝選手が右中間に大飛球を飛ばします。グラウンドに大きく跳ね返った打球を処理した右翼炭谷から送球をつなぎ、打者走者を三塁で止めますが、審判4氏の協議の結果、この打球が柵越えの本塁打と判定され、1対5とリードを広げられます。

グラウンド整備を挟み、円陣を組みもう一度流れを呼び込みたい6回表の攻撃。4番神戸が左翼への二塁打を放ち先陣を切りますが、後続が断たれこの回も無得点に終わります。守っては6回以降、神戸が要所を締め無失点に抑えます。

生光学園は7回表、最速145KMを超える直球を持つ2年生の川勝投手を投入します。城南打線は7,8回に走者を出したものの反撃の糸口をつかむことができず、2年連続のベスト8進出を逃しました。

 

生光学園には、昨年度のチームでは公式戦で3連勝しましたが、私たちは相手の実力が確実に上であるということを自覚していました。 その中で、いかに勝利に結びつけるかということを意識して戦ったわけですが、残念ながら力及ばず敗れました。負けたとはいえ、勝負を分けたのは「あと少しの差」だったと思います。厳しい言い方になりますが、この春の戦いをもって「野球は城南」と言うには、まだまだ程遠いと感じます。今までの取り組みを見て、チームが実力が発揮できたとは言えません。彼らの実力はこんなものではないということを知っているからです。しかし、その実力を発揮できなかった現状こそ自分たちの「弱さ」と受け止め、「強さ」に変えていくことが大切です。

勝敗を分けた「あと少しの差」とは、勝利のための準備、そして執念。本当の勝負となる夏は、このまま終わるわけにはいきません。新3年生にとっては高校野球の集大成となる選手権で、例年以上に好チームが揃い、戦力拮抗の様相である徳島県を勝ち抜き、125年分の城南高校硬式野球部の夢を実現するためには、日々の練習で後悔を残すことなく取り組むことが大切です。さらに新入生も練習参加しており、チームには新しい「競争」と、「共創」が求められます。より良いチームとなるためには、学年、正選手、控えに関係なくチームの勝利を願い、そこへ導くエネルギーを持つニューヒーローが続々誕生する必要があります。どの学年も、3年生でレギュラーが取れたらいいな、という意識ではなく、1年生からレギュラーを取ってやるという野心を持って、日々の練習で成長し、試合で実力を発揮する。このサイクルを大切にし、夏に躍動する姿を今度こそ、手放しで称賛できる戦いにしてほしいものです。

関係の皆様におかれましては、今大会も雨天順延等の厳しい日程であったにもかかわらず、応援いただき誠にありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。

《文責》尾形