第75回徳島県高等学校野球秋季大会1回戦

~勝つことの厳しさを教えてくれた激戦を制し、2年連続の開幕試合白星発進~

9月17日(土)、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で、第75回徳島県高等学校野球秋季大会1回戦が行われました。

昨年に続き、開幕試合となるこの一戦。今年は名西高校と対戦しました。

バッテリー(名西)南-廣川   (城南)神戸-上原

長打  ▽二塁打 (名西)野木 

 

新人ブロック大会の不戦敗以降、体調不良者は全員が戻ってきたものの、投手陣に故障者も出るなどチーム状態は非常に厳しいものでした。この日先発し、完投したエース神戸も8月12日(金)の新人ブロック大会1回戦以来、1ヶ月ぶりの登板となりました。故障明け初の登板となったこの試合は、要所を締めながらも一試合を通じてボールが先行し、非常に苦しい投球内容となりました。

援護したい打線も相手投手を捉えきれず、3回表には死球で走者を許してできた二死一・二塁の場面から失策で先制を許す、という非常に悪い流れで試合が動き出します。

3回裏の攻撃では9番國平が失策で出塁、1番大村がエンドランを敢行し安打となり、さらに盗塁で一死二・三塁。2番上原の犠飛で同点に追いつき、なおも二死二塁。3番蔭山が中前に安打を放ち、勝ち越しに成功します。蔭山は5回裏にも右前に適時打を放ち3-1とリードを広げましたが、このまま優位に試合運び、という展開にはなりませんでした。

グラウンド整備直後の6回表。先頭から2者連続で四球を与え、犠打で一死二・三塁の場面、1番打者に右前に運ばれ同点に追いつかれます。6回裏、7回裏の攻撃は先頭打者が出塁するも得点には結びつかず、反撃に向けたリズムをつかむことができませんでした。

8回裏には内野安打や四球などで炭谷、島、大野が出塁し一死満塁。8番川丘がスクイズを決め勝ち越しに成功し、死球でなお二死満塁の好機が続きましたが、追加点が取れず、1点リードで9回表を迎えました。

名西は先頭の1番を安打で出塁させたあと、続く2人を内野ゴロで打ち取り勝利まであとアウト一つまで迫りながら、4番に死球を与え一・三塁とし、続く5番に安打を打たれ同点に追いつかれます。続く6番をカウント2-2まで追い込んだ後、5球目を左前に運ばれ、二塁走者がホームを目指しますが、まずは左翼の蔭山が落ち着いて遊撃川丘へ素早く送球、川丘の送球を上原がしっかりカバーし本塁でタッチアウトにし逆転を許さず、同点で9回裏の攻撃を迎えます。

制球に苦しみながらも失点を4点に抑え、ここまで163球の粘投を続けてきた神戸に、これ以上負担をかけるわけにはいかない。どうか、全員で援護したい。もうサヨナラしかない。

9回裏の先頭打者は捕手として、体を張ってリードし続けてきた上原。遊ゴロが失策を誘って出塁し、続く蔭山が犠打で送りサヨナラのチャンスを作ります。「決めてくれ」というチームの期待を背負って回ってきた4番炭谷の打球は左翼への平凡なフライでしたが、これを左翼手が落球し一死二・三塁。最後はここまで3安打の5番島が中前にサヨナラ安打を放ち、勝負を決めました。

内容的には課題が多く、「相手に勝たせてもらった」という試合でした。負けに等しいといってもおかしくない内容でしたが、試合後の挨拶で大村主将が「(ブロック以降)チームの状態が最悪でした」と話したように、私たちもその苦しい状況を一緒に戦ってきた中で、本当にこの難局をよく乗り越えたというのが正直な感想です。今日だけは内容以上に、勝ったという結果を最大限に評価したいと思います。

しかし、強豪が集い混戦模様の今大会を制すためには、2回戦以降はそういうわけにはいきません。内容にしっかりこだわって、負ける要素をゼロに近いところまで減らし、勝つ要素を増やすことが望まれます。本来であれば2日後に行われるはずだった2回戦は台風による天候不順が予想されるため、1週間後の9月24日(土)に順延となりました。課題回復に向けた練習をする期間ができるだけでなく、コンディションの調整ができることから間違いなく私たちに追い風が吹いています。

対戦相手は第一シード、徳島商業高校。この2年間で公式戦では3戦3敗ですが、徳島県における野球草創期には県民の人気を二分する「徳島の早慶戦」と呼ばれた人気カードです。野球伝来150周年の特別な秋。先輩たちや応援してくださる皆様の思いがチーム躍進の追い風になると信じて、次戦も「一球一心 ~心はひとつ~」のチームスローガンのもと、全員で勝利を目指し全力で戦って参ります。

皆様、応援ありがとうございました。次戦も応援よろしくお願いします。

《文責》尾形