硬式野球部活動報告(令和3年度 環境防災活動)

2学期中間考査最終日の10月21日(木)午後、本校では各部活動と有志生徒による環境防災活動が行われました。

硬式野球部は、選手は男子硬式テニス部と共同で学校東側にある側溝の掃除、マネージャーは東出入口付近の除草活動を主に行いました。

年に一回の作業ですが、選手たちは生活排水などによりヘドロやゴミが堆積し、汚れた側溝に入り作業することを最初はためらう様子も見られました。そこで「ゾーン(Zone)に入ろうや」と声をかけ、次々にその境地に達した生徒たちが大車輪の活躍を見せました。

ゾーン(Zone)とは、スポーツ心理学における理想的心理状態を指します。人気漫画の名フレーズ「全集中」はまさにこの状況であり、すべての集中力をこの作業に向けることにより、清掃活動により自分が汚れることなど全く気にならない心理状態になります。

そして、その境地に達した生徒たちはグラウンドで、どんな状況においてもパフォーマンスを発揮することができるようになります。

特に夏の選手権では、見えない不思議な力がチームに宿り、様々なドラマを生み出します。それを人は「野球の神様」と呼びますが、その正体は野球以外の場面、フェアゾーン以外の270度で磨かれるものであると考えています。

ただ、あくまでそれは副産物であり、環境防災活動は私たち城南高校を支えてくれている地域への恩返しです。

日頃、大きな声を出しながらの活動にも、活動中のファールボールの飛び出しがあったとしても常に温かい視線を向けていただき、「甲子園に行ってくださいね」「いつも応援してるよ」と声をかけてくださる近隣住民の皆様の支えがあって、城南高校、そして硬式野球部が活動できるということを忘れてはいけません。

私自身も側溝に入り作業をしていた中で、近隣住民の方から声をかけていただき、そこで気づいたことがあります。この側溝が詰まっていたら、すぐに増水し浸水被害を受けかねないという防災面の観点からも、環境整備の重要性を感じました。私たちは地域に支えられるだけでなく、災害時などの非常事態はもとより、普段から地域を守る責任もあるのです。

例年より少ない部員数ではありますが、さすが選手10名で新人ブロック大会優勝、ベスト8進出を成し遂げたメンバーです。強いエネルギーを持った部員一人ひとりが自覚を持って全集中で取り組み、側溝も東出入口付近もきれいになりました。

環境防災活動の後は、考査前以来の全体練習を行いました。今後もこの環境を維持し、改めて地域のサポートに対する感謝を忘れず、充実した活動をしていきたいと思います。皆様、今後とも応援よろしくお願いします。

《文責》尾形