J-Linkツアーin関西 企業・大学研修108HR

 応用数理科108HRは8月4日に県外研修を行いました。午前中は、新日鐵住金株式会社広畑製鐵所、午後は甲南大学フロンティアサイエンス学部に行きました。徳島は大雨でしたが、こちらは時折小雨が降る程度でした。
☆新日鐵住金株式会社広畑製鐵所(姫路市)
 
 冷鉄源溶解法(SMP法)を用いて鉄スクラップなどから様々な用途の高品質薄板鋼板を生産している製鉄所です。毎月20万トン強の鋼材生産量をほこり、自動車の部品やビルなどに利用されているそうです。年間百万トン発生する古タイヤを溶解炉の熱源や鉄源にしたり、熱分解してガスや油、鉄ワイヤーなどに分解して再資源化する施設もあり、資源リサイクル・持続可能な社会の実現に貢献しています。
 まず見学センターにおいて、広畑製鐵所に関する概況ビデオ上映の後、作業服・ヘルメット・軍手を着用して、製鉄所敷地内と熱延ラインの見学に行きました。甲子園球場152倍といった非常に広大な敷地には、製鉄関係施設、線路、道路、橋、港湾施設などがありました。残念なことは見学時が熱延ラインの点検時に重なり工程がみられなかったことです。しかし見学最後にはラインが稼働し、加熱炉で1200度に熱せられた鋼材(スラブ)が送られるところを少しみることができました。工場内は非常に熱く、そのような中てきぱきと作業点検をする社員の方のすごさを実感しました。また、工場内に頻繁に散水車が走っていたり、工場内に植林をしていたりと、環境に配慮した取り組みをしていました。最後の質問コーナーでは、心よく私たちの質問に答えてくださり、また製鉄所の仕事のやりがいを語って頂き、高校生にとって非常に有意義な研修となりました。
 ご説明・ご案内をしていただきました広畑製鐵所0Bの生原さんをはじめ、お世話になった方々に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

☆甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科(神戸市中央区)
 甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科では、生物有機化学がご専門の甲本一也先生と6名の学部生TAの皆さんのご指導のもと、「色素の合成とその機能」というテーマで、2~3人一班で様々なアゾ色素を合成し、そのアゾ色素がどのような布を染色できるかを実験しました。
 最初に新商品の開発には多くの表にでないデータがあり、社会のニーズにあった技術の開発が必要であるという講義の後、高校化学の教科書にも記載されるアゾ色素をいかに社会に役立てるようにするかを課題にして、研究を商品化するプロセスを考える機会を実験を通して与えていただきました。実験では各班が異なるアゾ色素を合成する過程で、色の変化の反応が起こり、その度に生徒は歓声をあげたり写真を撮ったりと興味深そうでした。それぞれの色素の染色の度合いが布の種類によって異なることを知ると、自分たちの班はアクリルを一番きれいに染めるアゾ色素をみつけだそうなどのテーマをもち、15種類のアゾ色素と6種類の布の組み合わせを自在に考え取りくんでいました。
 熱心にご指導してくださった甲元先生をはじめ、お世話をいただきました学生の方々、事務室の皆さんに、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。