応用数理科3年 高大連携講座(徳島大学・三好先生)

 7月1日(火)午後,応用数理科3年生は,班別に高大連携講座を行いました。化学班17人は,徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部教授の三好德和先生のご指導の下,「色の変化を考えよう〜様々な無機イオンの反応を学ぼう〜」という内容での実験講座を受講しました。
 講座では,銀,銅,ニッケル,鉄,マンガンのイオン反応を例に,沈殿や錯イオンの生成や色の変化を確認し,化学平衡の移動についても学びました。
 平常の授業では進度の関係でまだ実験をしていない分野ということもあり,色が変化したり,沈殿が生成したり消失したりすると,思わず歓声が上がるほどの盛り上がりを見せました。

 銀イオンの実験では,生じた沈殿にさらに試薬を加えて反応させて,反応の可逆性を確認し,化学平衡の移動の観点から解説してくださいました。普段の授業では,沈殿が生成することだけを確認して終わってしまうところです。そこからさらにいろいろな変化を起こすことで,化学で学ぶさまざまな理論が典型的な例だけではなく,あらゆるところに関連していることを示す,奥の深い実験でした。生徒たちも,三好先生が矢継ぎ早に繰り出す質問にたじたじといった感じでしたが,全く別の分野の知識が関係しているとは思いもよらなかったはずで,教員にとっては,普段の授業の展開に貴重な示唆をいただいたように思います。
 マンガンを用いた実験では,「高校入試に出てくる反応です」といいつつも,過酸化水素の酸化剤としての働きと還元剤としての働きがpHによって変わってくること,反応速度と触媒が大きく関係していること,いずれも高校化学の内容を鮮やかな実験で示してくださいました。
 実験後には,大学入試に向けての勉強で留意すべきことや,大学入試の出題者の考え方についてのお話を伺うこともできました。