お知らせ 「世界津波の日 高校生サミット」報告 その2 サミット開催前

 2016年11月25日~26日に、高知県の黒潮町にて世界の高校生が一堂に会して、各国共通の脅威である地震津波をはじめとする自然災害と防災・復興等について話し合う「世界津波の日 高校生サミット」が開催されることとなり、本校では参加に向けて様々な準備を進めてきました。
 サミットの分科会では『分野1:自然災害を知る』(「津波から命を守るために身につけておくべきこと」「自分の住む地域の災害リスク」「災害教訓の伝承」「世界津波の日の普及」等)」『分野2:自然災害への備え』(減災のために学校や地域・家庭でできる取組の提案等)『分野3:自然災害からの復興』(持続可能なボランティア活動の取組など、学生が果たす役割)の3分野があり、本校は分野1“Understanding of the risks of natural disasters”に参加することにしました。そして、高大連携授業での地震・津波災害・防災に関する学習、過去の課題研究内容(本校地下の地質サンプルから津波堆積物を検証する等)をベースに、また英語発表に関しては、SSH学校設定科目で、課題研究の英語プレゼンテーションや英語論文作成に特化した「Science English」で学んだことを生かし、“A Study of Tsunami Risk~Using Geological Samples and Historical Documents”というタイトルで、地域の津波リスクを検証した結果を3つの内容で発表することにしました。
 まずは、学校周辺の電柱等に示された地盤の海抜等を調べ、徳島市地震・津波防災マップ(ハザードマップ)と照らし合わせて、学校周辺でどのような浸水状況になるか視覚的に示しました(最大浸水深2~3m)。なお本校は今年9/20の台風16号で学校周辺が冠水しており、冠水時の写真も使って地盤の低さからくる浸水リスクを説明することとしました。
 それから本校体育館建設時の地下土壌サンプルを用いた過去の先輩の課題研究を再検証し、地下13m付近の約7,300年前の地層(同時に産出した鬼界アカホヤ火山灰から推定)と、地下5m付近(恐らく平安時代)の地層から浅海性~汽水性の貝化石を複数種検出した事を示し、津田の海岸線から約4km、眉山の麓にあって普段は全く海の気配を感じない本校周辺ですが、土地の成り立ちに(津波堆積物かどうかまではわかりませんでしたが)海の痕跡が刻まれており、山の麓でも油断はできないということを示すことにしました。
 そして、災害の歴史的資料の豊富さは日本や徳島の特徴であると考え、昭和南海地震70年事業「津波減災フィールドワーク~先人の教訓・叡智に学ぶ~」や、徳島県立文書館特別企画展 「記録資料に見る南海地震」などの取材を行い、南海トラフ巨大地震と津波災害の周期性と、石碑等から読み取れる先人の思いなどを紹介することとしました。
 英語プレゼンテーションについては、英語科の石井先生やTravis先生、Matt先生などからプレゼンや発表要約の作成、発表練習などのご指導をいただき、サミットに臨みました。
 発表前の11月16日に徳島新聞社の取材(→11月22日朝刊掲載)、11月21日にはNHK徳島放送局の映像取材(→翌11月22日朝のNHKローカルで放送予定→22日早朝の福島沖津波地震でローカルカット→12時台と18時台、20時台のローカルで放送)、さらに11月22日には読売新聞社徳島支局の緊急依頼で、サミットと朝の津波地震を絡めた取材(→11月23日朝刊掲載)をいただきました。