応用数理科308HR Advanced Science 物質科学1回目

 毎週火曜日は応用数理科の授業「Advanced Science」があります。クラスが物理・化学・生物・地学の4分野に分かれて、様々な実験や体験を行います。高大連携実験教室もこのときに実施します。化学分野は物質科学という講座を設けて、6月中に4回の実験等を行います。

 最初ということで、モール(Mohr)法を用いて吉野川流域及び海岸線の塩分濃度を測定してみました。この沈殿滴定は、塩化銀AgCl(白色沈殿)とクロム酸銀Ag2CrO4(赤褐色沈殿)の溶解度積の差を利用して、塩化物イオンCl-の濃度を測る方法です。10倍にうすめた海水をコニカルビーカーにとり、少量のクロム酸カリウム水溶液を加えた後、褐色ビュレットを用いて硝酸銀水溶液を滴下します。当初は白色沈殿ばかり生成しますが、塩化物イオンがなくなるとクロム酸イオンが銀と反応して赤褐色沈殿が生成します。そこまでの硝酸銀の滴下量から塩分濃度が求められます。

 結果は以下の通りです。

  旧吉野川橋直下 0.79%、 しらさぎ大橋直下 0.71%、 小松海岸 2.2%、 大神子海岸 2.4% でした。

 この結果より吉野川河口から5kmさかのぼった地点でも塩分が含まれており、汽水域であることが改めてわかりました。吉野川の冬の風物詩であるスジアオノリの養殖は、このような環境で行われています。