令和5年度活動内容

令和5年度 徳島県SSH生徒研究合同発表会について

3月16日(土)に徳島県SSH生徒研究合同発表会が教育会館にて行われました。5年ぶりの参集開催であり、県内SSH校を中心に、9校285名が一堂に会し実施されました。午前中は13グループの口頭発表、午後からは59グループのポスター発表が行われました。また、今年度は本校が幹事校であり、司会や運営等本校生徒がしっかりと務めてくれました。

本校からの参加は、応用数理科の全員28人、9グループで、2グループが口頭発表、7グループがポスター発表を行いました。

結果は、口頭発表の部では「バネを用いた振り子の動きについて」が最優秀賞、ポスター発表の部では「魚類消化管内に存在するプラスチックの検出方法とその結果」が優良賞に選出されました。

今回参加したすべての発表が面白く、SSH校を中心に、年々レベルが上がっていると感じました。今後、県内各校でますます課題研究への取り組みが促進され、探究的な学習が発展していくことを期待します。本校でも歩みを止めず、研究への取り組みを進めていきたいと思います。

 

 

 

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課題研究最終発表会

応用数理科208HRが、1年間理数探究の授業で取り組んできた課題研究の最終発表会が2月21日(水)5限目~7限目に行われました。9グループ28人が、1年間の成果を発表しました。どの班も上手くまとめられており、3時間が一瞬で過ぎるほど、とても面白い発表ばかりでした。さすが城南高校 応用数理科です。1年生も発表見学を行い、積極的に質問を行っていたことが印象に残っています。2年生は来年度、AdvanceScienceの時間で追実験を行い、論文にまとめていく作業に入ります。1年生は、いよいよ理数探究の授業で、課題研究を行っていきます。目の前の現象に課題を見つけ、検証実験を考え、考察に至る。ぜひ、深い学びを行ってほしいと思います。

発表のタイトルは次の通りです。

1 海部刀の原料はどこから来たかⅡ(化学分野)
2 電磁誘導を用いた波高観測装置の開発(地学分野)
3 空気砲で輪を遠くまで飛ばすためには(物理分野)
4 シリコンに物をくっつける(化学分野)
5 ゼブラフィッシュの不安行動の定量化とその個体の割合(生物分野)
6 魚類の消化管に存在するマイクロプラスチックの検出方法とその結果(生物分野)
7 ばねを用いた振り子の動きについて(物理分野)
8 レンズフードを用いた場所と時間による光害の影響の観測(地学分野)
9 プラナリアが咽頭伸長を行うための条件(生物分野)

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第二回徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研修会について

2月10日(土)の午後,第二回徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研修会が徳島大学総合科学部3号館で開催されました。この会は第一回の課題研究のテーマ決めの研修会の後、各校で実際決めてきた課題研究のテーマ並びにその検証方法についてポスターセッションの形で実施し、大学の先生や高校の先生に意見をいただくと共に、生徒同士でお互いの内容を確認・意見交換をし、刺激をもらう会となっています。今回は、本校含め3校(城南・富岡西・海部)の参加があり、発表数は27グループ、72名が参加・発表しました。発表は3交代で4回発表を行い、発表4分、質疑9分で質疑の時間を多くとり、実施しました。どのポスター発表に対しても、活発な質疑が起きており、生徒達は熱心に教員の意見を聞き、メモをとっていました。閉会に際しての講評は,よくできていたという評価をいただいた一方で,よい研究をまとめるには,関連する研究について過去の論文等をきちんと検証し,自らでしっかりと実験計画を立て、検証実験を行い,議論することが大切であると,重要なご助言をいただきました。終了後,希望するグループには個別相談の時間を設定し,研究方法などを熱心に質問して追加の助言をもらっているグループが数班あったことが印象的でした。今後も大学とつながりを大切にしながら県内各校で課題研究を進めてもらいたいと思います。

生徒達、大学・高校教員 活発な意見交換が行われいます 会が終わってから大学教授からアドバイスをもらっています

 

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第2回小・中学生対象地域フィールドワークin勝浦

 2月11日(日)に勝浦町立川で、小・中学生とその保護者・家族を対象とする地域フィールドワークを開催しました。1回目は鉱物や岩石採集が目的でしたが、今回は勝浦町で産出する化石です。徳島化石の会から化石産地の地権者をご紹介頂き、何度か出向いて打ち合わせを行い、今日の開催にこぎ着けました。本来は11月に実施予定でしたが、そのときは大雨による土砂崩れが発生して道が不通となりました。ようやく活動できると思えば感無量です。

 さて、当日は9時に道の駅に集合し、そこから各自の車で現地まで移動しました。途中の急坂道でタイヤが滑って難儀しましたが、何とか敷地内に駐車できました。ターゲットはアンモナイトとシダ植物です。最初のポイントでは、川原から引き上げてきた岩石を広場に無造作に置いていました。表面をよく見ると炭化して黒くなった植物の茎や葉がびっしりとくっついています。クラドフレビスというシダの仲間です。正月の注連飾りに用いるウラジロのような葉っぱが形良く残っていました。また、ソテツの仲間のニルソニアも見つかりました。

 家族一同で参加されている方も多く、未就学の小さい子もいました。皆さんが一心不乱にハンマーをふるい、次々と化石を見つけていました。持ち上げるのがやっとというくらいの大きい石に、植物化石が所狭しと並んでいる標本もありました。これは割らずにそのまま持ち帰った方が良いでしょう。そうアドバイスをすると、両手に抱えて駐車場まで運ぶ人もいました。ここまでの悪路を車で来たかいがありました。

 次のポイントでは、斜面を重機で切り開いて地層を露出させていました。タマネギ状に石片が離れるノジュールが多く含まれ、それを割ると中からアンモナイトなどの化石が出てきます。下見のときは余り見つからなかったので、30名を超える人のうちせいぜい数人程度しか化石が見つからないだろうと思っていました。先に採っていたサンプルを見せて、どのような岩石を探すべきか、どのように割るべきかをレクチャーしました。

 開始してからしばらくは何も成果がありませんでした。ところが、直径2cmくらいの小さいアンモナイトが見つかったのを皮切りに次々と化石が見つかり始めました。子どもたちは必死です。斜面から転がってきたノジュールを拾っては、片っ端からどんどん割っていきました。また、保護者の方も童心に返ってお子さんと一緒になって探しました。本校の高校生は、子どもたちが危ない場所に行かないよう周囲に気を配りながら、石を割って断面を観察していました。

 化石採りに皆さんが熱中して、終了予定時刻を大幅に超えてしまいました。しかし、成果はとても大きく全員がクラドフレビスの化石を持ち帰ることができました。また、アンモナイトが断片的な化石を含めて30個も見つかり、異常巻きと言われるレアなアンモナイトもありました。こうして大盛況のうちに全員無事に下山しました。記念品として三葉虫の化石をお渡しして全日程を終了しました。

 令和6年度もこうしたフィールドワークを行う予定です。詳しくは各小・中学校にメールで連絡します。また、本校HPにも掲載します。ときどきご覧になって下さい。皆様にまたお目にかかれるのを楽しみにしています。

 採集場所を提供して下さった地権者の皆様、誠にありがとうございました。おかげで充分学習できて楽しめました。もしもまた別の機会がありましたらよろしくお願いいたします。

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「Jonan Science Lab」の実施について

2月4日(日)9:00~13:00城南高校生物室にて徳島県の高校生が集まり発展的な実験を行う「Jonan Science Lab」が実施されました。本校含む県内8校37人の生徒、4校5名の教員に参加していただきました。今回は、かずさDNA研究所と連携し、高校では行えない分子生物学の実験「ALDH2遺伝子の多型解析~お酒に強い遺伝子を持つかしらべよう」を行いました。実はお酒に強いかどうかは、DNAの1つの塩基の違いによるものなんです。

実験は①口内上皮から細胞を取り、②細胞分解溶で処理しDNAを取り出し、③2種類のプライマーを用いたPCR反応を行い、④電気泳動を用いて解析し、⑤トランスイルミネーターで確認するという内容でした。PCRや電気泳動の待ち時間には、PCR反応についての説明や今後のゲノム解析の利用法など、実験の説明はもちろん、ゲノムについての興味深いお話しをしていただきました。流れるような実験で4時間があっという間でした。実験では、すべての人のサンプルについて結果が確認でき、すべての人の実験が成功しました。事後アンケートでは、満足度が非常に高かったです。交流プログラムも合わせて実施できればとの意見があったので、次年度は課題研究のショート発表を行うなどの交流プログラムも合わせて計画したいと考えます。

 県内8校37人の生徒に参加してもらいました     細胞溶解液等の処理をしています

サーマルサイクラーでPCRを実施しています    電気泳動を行うため、サンプルをアプライしています

(35サイクル)

トランスイルミネーターで電気泳動の結果を見ています  4人分結果です。すべての人できれいな結果が出ています

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課題研究英語発表(ScienceEnglishⅡ)

1月31日(水)5限目~7限目にScienceEnglishⅡの授業で、課題研究の英語最終発表が行われました。今までScienceEnglishⅡで、課題研究の実験手法や結果などの英語発表を行ってきましたが、今回はすべての内容について英語発表を行いました。今年度は海外研修が実施され、台湾の竹南高級中学校で課題研究の英語発表を行っていた効果もあり、昨年度と比べて、分かりやすく、堂々と自身の英語で発表することが出来ていました。また、生徒同士の積極的な英語での質疑応答が行われ、科学英語の利用が充分に行われていると感じました。次は、最終発表会です。是非1年間のまとめを行ってほしいと思います。

Title of reseach presentation 

1  Observation of the effects of light pollution

2  For  the ring fly farther with the air cannon

3 Microplastics in Oceana~Microplastics in fish stomach ~

4 The relationship between Zebrafish personality and fight dominance

5   The development a device that measures wave height with electromagnetic induction

6   Attaching to Silicon

7   Pendulum with spring

8   Where did the Kaifu sword material come from?

9   Pharyngeal elongation of planaria

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第4回電子顕微鏡操作実習

 1月20日(日)9時から15時まで、神戸市立工業高等専門学校において電顕操作実習を行いました。今年度4回目になります。課題研究活動の一環として実施していますが、他の研究班も参加しています。高校では扱うことのできない分析機器を自由に使わせて頂き、大変感謝しております。

 さて、本日のサンプルは砂鉄と玉鋼、そして眉山の鉱物です。走査型電子顕微鏡を用いて元素分析を行い、その結果から対象物の組成を知ることができます。備前長船刀剣博物館の刀匠が自ら採掘してきた砂鉄とたたら製鉄法で作った玉鋼の他、昨年6月の北海道修学旅行で採取した石狩川の砂鉄、8月の全国高文祭に出場したとき鹿児島県薩摩半島で採取した砂鉄、本校のすぐ北側にある眉山で採取した鉱物など12サンプルを測定しました。

 砂鉄では選んだ粒子により成分にばらつきがかなりあります。ほとんどが四酸化三鉄でできている物があれば、ケイ素やアルミニウムを多く含む岩石質の物もあります。そこで、鉄の含有量を合わせるために一定量以上の鉄を含んでいる物だけデータを取りました。少なくとも3回は測定しましたが、中には6回も測定してやっと条件に合うデータを取ることができました。50回以上も測定したので時間がもっとかかると思いましたが、さすがに4回目となるとかなり慣れてきたので6時間くらいで測定を完了しました。これから持ち帰って分析結果から考察するところです。期待と不安が交差しますが楽しみです。

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応用数理科1年生 高大連携講座「課題研究へのアプローチ」

令和6年1月26日(金)の午後,香川大学教育学部の笠先生をお招きして,応用数理科1年生を対象に,課題研究に関する高大連携授業を行いました。導入では,理科の授業と探究活動の違いを考え,証拠を示すことの重要性、さらに「変数(variable)」を意識することで、探究活動がより楽になるとの説明をしていただきました。そこから、「変数とは何か」と問いかけて,様々な種類の本から変数を見つける活動や、様々な図形の中の変数とその値を考え、さらに複数の変数の間における関連性を考える活動を行いました。その後、「パイプが出す音の高さは何によって決まるのか」「浮力は何によって決まるのか」の実験を計画する活動を行いました。比較する2つを決め、なぜその2つの比較をするのかワークシートに理由を記入、発表させることで根拠に基づいた実験計画を立てることを求めました。生徒は実際のパイプやおもりで実験を行い、楽しみながら、思考と理解を深めることができました。アクティブラーニング型授業であり、課題研究等で養われるゆっくりとした思考(スローシンキング)を求める授業でありました。じっくり考えることでより深い思考を体験し、科学技術人材に必要な思考力を高めて欲しいと思います。

   複数の本なかから変数を見つけます   図形の中から変数を見つけ、変数同士の関係について考えます

 ボトルの大きさと重さの関係について知るために   大きさ、重さ、形と浮力の関係について、どのような

 どのような比較をすればいいか考えています     比較実験をすればいいか計画し、実験しています

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応用数理科107HR(SI)高大連携講座

1月12日(金)応用数理科 107HRを対象に徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所から、加藤 遼 先生にお越しいただき、高大連携講座を実施しました。加藤先生は、様々な光計測を駆使したバイオセンシング・バイオイメージングを行い、病気の早期発見・早期治療への貢献を目指されており、医工融合分野でご活躍されている先生です。今回は「光ピンセット」を用いた実験を行っていただきました。

初めは、先生が研究者になられた経緯と研究の概要についてお話いただきました。加藤先生から「高校での学習は将来チャレンジする力に大きくつながる」とのメッセージをいただき、日々の学習へのモチベーションになったのではないでしょうか。

次に「光ピンセット」の実験を行いました。最初、光ピンセットの原理を説明していただいた後、実際「光ピンセット」を使い、数μmのポリマーを移動させました。持ってきていただいた、「光ピンセット」の機械の仕組みについて改めて理解すると共に、数μmのポリマーを光を使い、つかんで移動させていることに感動していました。また、実験の待ち時間には、「光ピンセット」についての課題をいただき、グループで考えました。私たち教員も生徒達のグループに入り、一緒に考え、理解を深めました。

最後に、「光ピンセット」の利用法や、その他現在行っている研究についての説明をしていただきました。

今回の高大連携講座を実施により、最先端の研究やその装置に触れ、科学技術についての興味関心が高まったと共に、学問分野の横断(医工融合)により、新たな技術が創造されることを理解できたのではないでしょうか。現在学んでいる学問がどのように応用され、活用されていくのかイメージをつかみ、将来の科学技術人材として必要な資質・能力を身に付けていって欲しいと思います。

 

  光の可能性について説明していただきました      光ピンセットをつかって、ポリマーをつかんでいます

   

 光ピンセットに関する課題について議論しています     医療への応用についてお話しいただきました

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令和5年度野島断層フィールドワーク講義&現地実習

 11月17日(金)と12月19日(火)に、淡路島の野島断層に関する講義と現地実習を行いました。これは応用数理科の1年生を対象に毎年実施している行事で、地学への興味関心を高め防災減災の意識を持たせるとともに、現地調査の意義を知ってもらうことを目的にしています。徳島大学名誉教授の村田明広先生を講師としてお招きして、107HR生徒全員で現地へ行きました。

 1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神淡路大震災で、史上初の震度7が記録されました。そのとき動いたのが淡路島北部を南西から北東に走る野島断層でした。その一部が野島断層記念館に保存されています。生徒たちにとっては生まれる前のことなので余り実感がないようですが、館内で村田先生の説明を受けそのパネルから垣間見える惨状に言葉を失っていました。引率教員にも体験者がいて、自宅2階の床がフラフープのように回転したり、サツマイモ畑から砂が吹き出したりといった生々しい話も聞けました。

 断層の説明を受けた後、被災した住宅内部を見学しました。当時は断層のすぐ横にあった家屋で、柱がずれて傾いたり台所に食器が散乱したりしていました。外周でもコンクリの塀が割れていたり、生け垣がずれていたりしたそうです。再び館内に戻って、過去の地震災害や地震が起こるモデルなどを見学しました。災害がいつ起こるかわからない。だからこそこうした研修が必要だと実感しました。

 続いて、明石大橋の淡路島側のアンカレッジまで移動しました。大震災のときに橋脚(橋を支える柱)が動いて、橋長が1mも伸びました。その様子はここからではわかりませんが、橋桁ができる前だったので計算をやり直して建造し開通したそうです。また、途中で震災公園も車窓見学しました。ちょうど防波堤の継ぎ目から断層が海峡に沈んでいました。災害発生のメカニズムを知ることで防災減災の施策につなげていくことの大切さを知りました。有意義なフィールドワークでした。

 その後、1月1日午後4時10分に石川県能登半島を中心とする大地震が発生しました。震度7が再び記録され、大勢の方々が自宅で被災して現在も避難所で生活されています。建物や道路の被害も大きく、港湾では水底が隆起して陸になっているのをニュースで見て、生徒たちもかなり気になっているようでした。本県でも南海トラフによる大地震の懸念が高まっています。いざというときのためにどういった準備をしておくべきか、そのときはどのように行動すれば良いのか、自分で考えて行動することが求められています。

 

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