令和6年度活動内容

ほうき星を探して(紫金山・アトラス彗星 校内ミニ観望会)

今年初めから注目されていた紫金山・アトラス彗星は、夏の初め頃増光が鈍り、期待外れに終わると危惧されましたが、
太陽への最接近を生き延びて、夕方の西空にその勇姿を現しました。
西の低空までよく見える4階西廊下に双眼鏡等を設置し校内ミニ観望会を企画しましたが、なかなか天候に恵まれません。
10/16(水)の天気予報は曇りでしたが西空の雲が少し薄れたので、肉眼は無理でしたが双眼鏡で短時間見ることができました。

吟詠剣詩舞同好会の皆さんも練習の合間に

吟詠剣詩舞同好会の顧問の先生がスマホで撮影(写真右上に彗星)

2024‎年‎10‎月‎13‎日‏‎ 18:28 徳島市内 PENTAX SMC200mmF2.8 & K-x

残念ながら来週にかけても天気はいまいちですが、しばらくは18~19時頃に観望会の準備を続けようと思います。

 

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科学へのいざないAdvance(生物分野)

9月28日(土)徳島県教育委員会主催 科学へのいざないAdvance(生物分野)が徳島大学で行われ、本校生徒2名が参加しました。テーマは「制限酵素地図を作ろう」です。ご指導は 徳島大学教養教育院 渡部先生です。渡部先生にはいつも高大連携授業や課題研究の指導で大変お世話になっております。

制限酵素とは、DNAを特定の場所で切断する酵素です。この制限酵素は「遺伝子組換え生物」をつくる遺伝子工学において遺伝子を切り取る「はさみ」の役割をする非常に重要な酵素です。今回は2種類の制限酵素(EcoRⅤとEcoRⅠ)を用い、DNAのどの部分で、2種類の制限酵素がDNAを切り取るのか考察し、制限酵素地図を作成します。

まず、マイクロピペットの使い方の練習を行いました。10μLを1μLごと10回で取れるかどうかの練習です。

マイクロピペットの使い方を身に付け、いよいよ、実験です。4つのマイクロチューブにDNA溶液を20μL入れ、それぞれのマイクロチューブに①制限酵素入れない ②EcoRⅠを1μL入れる  ③EcoRⅤを1μL入れる  ④EcoRⅠ を1μL+ EcoRⅤを1μL 入れ、酵素がよく働く温度で処理をします。

制限酵素を働かせた後、電気泳動法でDNAの長さを確認します。電気泳動法とは、DNAは負の電荷を持つので、電流を流せば、+極に泳動するのですが、アガロース(寒天)の中を泳動する関係で、DNAの長さが長いと泳動しにくく(寒天の成分に引っかかる)、短いと泳動しやすい(寒天の成分に引っかかりにくい)特徴から、DNAの長さを分析する方法です。

電気泳動層のくぼみ(ウェル)に、それぞれの溶液を流し込んでいます。(上手です)

流し込んだ後、電流を流し、泳動します。

 

結果は以下の通りです。

 

 ①制限酵素入れない 場合はDNAが切断されておらず、1600塩基対のままです。

 ②EcoRⅠを1μL入れた場合はDNAが切断され 1000塩基対と600塩基対の断片となっています。

 ③EcoRⅤを1μL入れた場合はDNAが切断され 700塩基対と900塩基対の断片となっています。  

 ④EcoRⅠ を1μL+ EcoRⅤを1μL入れた場合は、300塩基対、600塩基対、700塩基対の3つの断片となっています。

この結果から、     

1600塩基対のDNAはどのような場所で切断されたのかをグループで考察しました

                       

                                      EcoR1                                     

           1000塩基対                           600塩基対

上の様にEcoR1が切断すると、EcoRⅤはどの場所になるか分かるでしょうか。

最後は、考察した内容を発表しました。

講義では、白のアフリカツメガエルと黒のアフリカツメガエルを交配したら、どのようなオタマジャクシが生まれるか実験したお話しや、黒色の胚(個体ができるまでの細胞群)と白いとの胚を切って、合わせて個体を作ると半分は黒、半分は白の個体を作ったお話、さらにはゲノム編集を行ったお話しなど、実際に実験した内容を話してくれ、非常に興味深くお話しを聞いていました。    

また、イベリアトゲイモリやアフリカツメガエルなどを見せていただき、生徒達は大学での学びに胸を膨らませていました。

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応用数理科 課題研究 細菌班 徳島文理大学薬学部研修

本校、207HRの3名が課題研究で細菌について興味を持ち、研究をしています。特に、枯草菌(納豆菌)が熱や紫外線、化学物質等に強くなる芽胞を形成することに興味を持ち、どのような条件で芽胞が形成されるのか調べています。30℃のインキュベーターで24時間培養すると、芽胞が形成されるとの論文を発見し、培養をした後、染色液で芽胞を染色し観察しましたが、十分に確認できません。

そこで9月24日(火)の放課後、細菌学がご専門である徳島文理大学 薬学部 微生物学研究室 阪口義彦 先生に芽胞の染色法や芽胞形成について、お話を聞きに行きました。

実験技術である火炎固定や油浸オイルによる対物レンズ100倍での光学顕微鏡の使用法などの学び、ビクトリアブルーで染色し、芽胞を観察しました。菌体の中に芽胞ができるのですが、菌は青く染まり、芽胞が染まらないので青の中に透明に抜けることで観察できます。手法について学び、本校でも実験できる技術を身に着けました。これで、芽胞の形成を調べることができます。また、ご専門である腸内細菌や芽胞の活用法など知り、研究の背景について、非常に知識が深まりました。

さらに、この研究班は最初、音と微生物培養の関係について調べようとしていた話をしていると、芽胞形成と音の関係を調べると面白いとのご意見を伺いました。

培地のpHや温度などと芽胞形成の関係についての論文はあっても、音などの物理的刺激と芽胞形成について調べている例はなく、高校生ならではの面白い着眼になるとおっしゃっていました。

生徒たちも、枯草菌の芽胞形成と音などの物理的刺激との関係について興味を持ち、ぜひやってみたいとのことでした。これからの研究計画についての展望が広がり、生徒たちは非常にワクワクした様子でした。今後も連絡を取りながら研究を進めていきたいと思います。高大連携の仕組みを強化してくことで、課題研究の質を高めていき、生徒たちの主体的で教科横断的な学びを深めていきたいと思います。

火炎固定、プレパラート作成をしています  阪口先生が培養した納豆から培養した枯草菌です

                     すべての菌体で芽胞が形成されています。

  

本校研究班が30℃24時間培養したものです。     対照実験(コントロール)として、自然状態で培養したもの

7割くらいの菌体内で芽胞が形成されています。   です。芽胞が形成されている菌体はありませんでした。

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R6 科学部卒業生による 課題研究等のレクチャー

 

9月14日(土) 13:00~ 化学室にて 

卒業生による課題研究等の進め方講座がありました。

内定を貰っている大学4年生と大学2・1年生より

以下について説明がありました。

①研究の進め方のアドバイス

②大学での授業や研究・生活面での参考例

③高校生のうちにしておいた方がよかったと思った事など。

④その他

 

 

 

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課題研究アオサ班 徳島文理大学研修

207HR 課題研究 アオサ班は9月12日(木)に徳島文理大学 山本博文先生の研究室を訪問し、依頼していた4つの河川の成分分析データを受け取り、今後研究方針について話し合いをしてきました。

1学期にアオサ班はどの川の水が完全陸上養殖に適した水なのか調査しました。その結果、吉野川の水だけ大きく成長するとともに、吉野川以外の川では(特に神田瀬川では)仮根の形成が起きました。その原因を分析するために、徳島文理大学のICPマスという分析機械をお借りし、吉野川、今切川、勝浦川、神田瀬川の水の成分分析を行いました。そして今回その結果データをいただきました。

データから、吉野川が大きく成長したのは硝酸態窒素が多かったからだと考えれます。大きな川である勝浦川が成長しなかったのは、アンモニウム態窒素が多いのですが、おそらく硝化菌が少なく、硝酸態窒に変化してなく、アオサの成長にプラスの要因とならなかったと考えれます。

また、生徒たちは神田瀬川で育てたアオサが縮れているのを発見し、その形態変化は神田瀬川の成分によるものと仮説を立て、次の検証実験は

「アオサの仮根形成および形態変化が起こる原因はどのような金属イオンによるものか」

というテーマで実験をしてくこととなりました。他の河川より多く存在する5つの金属イオンに注目し、それぞれの金属イオンの濃度差を作った河川水で養殖を行い、どのような形態変化が起こるか見ていきます。

これらのことは研究者があまり注目していない分野で、結果がでれば非常に面白いものになると山本先生はおっしゃっていました。

いよいよ研究という感じになってきました。初めに疑問を持ち、問いを立て、仮説を考え、検証実験を行い、その結果を分析し、そこから新たな仮説を立て、検証実験に向かう。どんどん深い内容になってきています。ここからは結果がどのようになるか分からない世界。結果が出ないことがあるかと思いますが、試行錯誤し、新たな発見をする喜びを味わってもらったらと感じます。私自身試行錯誤しながら新たな発見に向かうプロセスにワクワクしております。生徒と共に、研究を楽しみたいと思います。

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