徳島県立城南高等学校
 
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SSH1年生

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2010/12/20

高大連携事業:鳴門教育大学実験講座

| by:SSH-M
12月10日の午後,応用数理科1年生の高大連携事業として,鳴門教育大学にお邪魔しました。
大学では物理・化学・生物・地学の各分野に分かれ,講義・実験を行いました。
地学1



絵文字:ひらめき物理分野~放射線に関する講義(粟田高明先生)

 物理分野では,粟田高明准教授による放射線に関する講義を受けました。まず,放射線が発生するしくみやその性質などをわかりやすく説明していただき,実際に放射線を観察する『霧箱』という装置を,身近な材料で作成し観察しました。昨年までは用意された霧箱を用いて放射線の飛跡を観察していましたが,今回は自作することで手軽に放射線を観測することができることを実感しました。今回観察した試料は,ユークセン石で主にアルファ線(ヘリウムの原子核)を放出する性質があり,霧箱内でその通った後にできる飛行機雲のような飛跡をしばらく観察しました。
 全員が霧箱の観察に見とれていたため,もう一つの熱ルミネッセンスの観察の時間が少なくなってしまいました。低温状態にした方解石などにガンマ線を照射したものを室温まで温度を上昇させると,赤色に発光する現象にも興味津々で,時間を延長して観察させていただきました。さらに,大学にあるガンマ線検出器で,あらかじめ準備した試料を測定していただき,後日お知らせしていただくことになりました。
 今回の講義で,放射線についての基礎をしっかりと学ぶことができ,本当に有意義な時間を過ごすことができました。

物理1 物理2
物理3 物理4
物理5 物理6



絵文字:実験 理科化学分野~酸素原子・水素原子及び電子の授受に着目した酸化還元反応(早藤幸隆先生)

 早藤先生のご指導で,酸化還元反応についての講座を受講しました。
 前半は実験です。一酸化炭素を,酸化された銅線と反応させて,銅線が還元される様子を観察です。一酸化炭素は,教科書通りにギ酸を濃硫酸で脱水して発生させました。
反応は簡単ですが,ピペット操作,加熱,水上置換と,基本的な実験技術が試されます。演示してくださった早藤先生は手慣れたもので,一人で簡単にやって見せますが,いざ自分たちでやるとなると,二人一組でもなかなかうまくいきません。気体が十分集まる前に反応が終わってしまったり,捕集が水上置換になっていなかったりと四苦八苦。しかし,銅線の色が鮮やかに変化することで,確かに化学反応が起こっているということを実感できました。
実験1 実験2 実験3
         《火加減が難しい・・・》                   《一酸化炭素の捕集に成功》                 《銅線の光沢が復活》


 次に,酸化された銅線をメタノールと反応させてメタノールが酸化される反応,最後に銅粉を過酸化水素で酸化して溶解させる反応を行いました。銅を過酸化水素で酸化する反応では,銅が酸化されるに従って銅(II)イオンが生成し,無色透明だった溶液が青く着色してきます。
          実験4 実験5
                   《酸化される前の銅線》                  《酸化されると溶液に色が着いてくる》
気体の発生をともなわず静かに進む反応なので,銅や溶液に起こる変化に注目しやすく,演示実験としても優れています。

 実験の後は講義室に移動して,理論を学びました。中学生レベルの話から始まって,内容は一気に大学初年級の話へと発展していきました。原子の構造や原子間の結合についてはすでに学校で習っているとはいえ,細かいところはさすがに難しかったようです。
 高校では,酸化還元反応は2年生で習いますが,多くの高校生がつまずく難所でもあります。一足早くその難所を越えた生徒たちでした。

化学1 化学2
化学3 化学4


 

絵文字:虫眼鏡生物分野~電子顕微鏡で見てみよう(佐藤勝幸先生)

 生物選択グループは,鳴門教育大学 米澤義彦教授より「DNAを取り出してみよう」というタイトルで講義と実験を行っていただきました。まだ理数生物の授業では,遺伝の内容には進んでいないため基礎的な知識が乏しい状況ながらも,米澤先生より丁寧な講義を受けることができDNAについての知識を得ることができました。また実験では,4つの班に分かれて,ニワトリの肝臓,ブロッコリー,カリフラワー,バナナのそれぞれのDNAを抽出しました。ニワトリ班とブロッコリー班は失敗したものの,その経験を活かして2回目は良好な結果を得ることができました。全ての班で実験が成功し,生徒はそれぞれに達成感を感じていたようです。また,ブロッコリーやカリフラワーと同様の方法では,バナナからはDNAを抽出することができないということも確認でき,有意義な講座となりました。

生物1 生物2
生物3 生物4



絵文字:星地学分野微化石で堆積年代を推定する(香西武先生)

 今回の講座では,堆積岩のチャートに含まれる「放散虫」化石を用いて,堆積年代を推定する方法の実習を行いました。
 まず,阿南市津乃峰に産する玄武岩がどこでできたもので,どうやって徳島までやってきたのか,ということを通して,プレート運動や付加体について学びました。
 次に,放散虫化石の取り出し方について教わりました。実際の処理作業は危険なフッ酸を用いて半日はかかるので,薬品処理は香西先生が事前に済ませておいてくださいました。生徒は,処理の終わった試料から,双眼実体顕微鏡と面相筆を用いて,微細な放散虫化石を拾い出す作業から行いました。手先の器用さと根気強さが必要な作業で,また化石が静電気の反発で逃げられたりと,みんな悪戦苦闘していました。取り出した化石は,やはり面相筆で試料台に貼り付けます。
 次に電子顕微鏡室に移動し,香西先生の研究室で購入したばかりの真新しいSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影しました。モニターに映る放散虫の姿にみんなで歓声をあげていました。そしてSEM画像と参照図表と比較して,堆積年代を推定したところ,ジュラ紀末~白亜紀初期のものと判明しました。
 みんな微化石の複雑さや美しさ,そして小さな化石から地球のダイナミックな営みがわかることに感動していました。

地学2 地学3
地学4 地学5
地学6 地学7
地学8 地学9
地学10 地学11
地学12 地学13
地学14 地学15
地学16 地学17

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